「絵手紙ペイント」はソフト名の通り、絵手紙に描かれるような、味わい深いタッチの絵を描けるソフト。筆やブラシが豊富に用意されているのに加え、ボカシやセピアなどのフィルタ、挿し絵、トレース、捺印などの編集機能も充実。描いた絵は、そのまま絵手紙としても利用できる。

ペン先として用意されているのは、ハネやかすれなどの効果を活かせる「毛筆」、さまざまな色を塗り重ねられる「カスタム水彩ブラシ」、黒・白にマスクをして10色を使い分けられる「マスク蛍光筆」、テキストを筆先にできる「文字筆」のほか、「色鉛筆」「エアブラシ」の大きく分けて6種類。毛筆では、極太〜極細の4段階に加え、修正にも使える白筆がある。筆に含ませる水分量を調節して雰囲気を変えたり、書き味をバサバサした感じにしたりすることも可能。しっとりとしたタッチで描ける「滲み筆」オプションなどもある。

ソフトの特徴のひとつ「カスタム水彩ブラシ」では、滲みの出ないサインペンタッチのものと、滲み効果のあるものが用意されている。描画モードとしては「通常」のほかに、「加算」「減算」「乗算（黒マスク）」といったものがあり、思いがけない効果を得られることがある。もちろん水分量を調節することが可能だ。

「マスク蛍光筆」もユニークな筆のひとつ。黒または白をマスクし、蛍光ペンのようなタッチで描けるもの。記号を含めて、黒と白各10色を利用できる。下地色に対して加算色になるため、色の変化を楽しむこともできる。

編集機能も充実している。フィルタではR/G/Bのほかに、連続的（徐々に）適用できるボカシや2階調化、セピア、ランダムなどを利用できる。「挿し絵」を貼り付けることも可能だ。「梅」「扇」「富士」など、10種類の絵が用意され、簡単に貼り付けられる。オリジナルの「挿し絵」を作成して利用することもできる。さらに、既存の画像を下絵にし、なぞることで輪郭を描ける「トレース」や、絵に捺印する印鑑の作成・捺印、トリミング、日付挿入、額縁など、さまざまな機能を搭載する。

「絵手紙ペイント」は、毛筆や水彩タッチのペンを使って絵を描けるペイントソフト。筆のハネやカスレといった効果を使えるので、字を書くときはもちろん、フリーハンドで絵を描くと独特の風合いが出て、楽しくイラスト制作ができる。グラデーションのついた背景や、パターンを使った背景をワンタッチで作れるのも、お手軽イラスト描きにはありがたい。余白をどうしようか悩むこともなく、いきなり描きはじめることができる。

いろいろな効果やブラシがあるが、まずは好きに選んで効果を確かめてみるのがよいだろう。それぞれの特徴が体感でわかるようになれば、スムーズに筆を動かすことができると思う。特定色マスクで色が塗れる「マスク蛍光筆」は、あとから色を塗るのに便利だったし、字を書いた後で色の影をつけたりするのに便利だった。

現在までの期間、マイクロソフトが次々にOSを出してくるので……。それに対応しなければならなかったことが苦労しました。

原型となった「FudeBoard」は、多くのパソコン教室や学校、ボランティア絵手紙教室などで使っていただいてます。容量が小さなソフトですので、フロッピーでも2次配布ができます。教室で習って家ではソフトがないので絵が描けないということもなく、飽きてもソフト代金も気にならずに……。

現在、「絵手紙」（実際の筆や墨を使ったもの）は、日本絵手紙協会が核となって、心が伝わる・コミュニケーションをとる手段と絵を描くという……感性を磨く手段が一石二鳥で人気があります。最近は、パソコンを趣味で使う方が増えています。また性能もアップして、タブレットなども安く手に入るようになりました。

今後も少しずつですが、ユーザさんの意見や質問を大切にしてパソコン初心者の方が無理なく操作できるソフトにしていきたいと思っています。

姉妹ソフトで「FudeBoard S」「FudeBoard F20」や「水墨画作成ボードF」は書籍も出版されています。山田みち子先生にも使っていただき、うれしく思っています。

次回バージョンアップでは「消しゴム」「鉛筆」の追加とともに、「和紙に描いたかのようになるテクスチャを、あとで合成する機能」を追加したいと思っています。また、水彩ブラシの数を増やす予定もあります。