ゲーム世界に呼ばれた主人公が、少女とともに探検を続けるという設定の思考型アドベンチャーゲーム。アイテムを駆使して障害を乗り越えたり、行動や選択肢によってエンディングが変化したりなど、ファンタジー色やPRG的な要素も楽しめる。「巻き込まれた男」の主人公は、毎日を無難にすごす普通の高校生。どことなく物足りない気持ちを抱える自分に微妙な苛立たしさを感じた彼は、せめてゲームでも楽しもうと、とあるネットゲームを手に入れる。しかし、ゲームを起動したとたん、ゲーム内の少女「ぢっか」に助けを求められ、ゲームの世界に吸い込まれてしまう。
ぢっかは、「凶悪なモンスターの1匹がプレイヤーキャラクタを次々に襲いはじめたこと」「特殊能力を持つキャラクタがすべて『カード』にされたこと」「自分ともう一人以外はみな身動きが取れなくなったこと」を主人公に告げる。ゲーム世界のキャラクタではモンスターに太刀打ちできないと考え、生身の人間である主人公をゲーム内に召喚したというのだ。話を聞いた主人公は、凶悪モンスターを倒す方法を探すため、ぢっかとともにゲーム内のダンジョンを探検することを決意する。
ダンジョンには多くの障害が用意されており、プレイヤーは、手に入れたアイテムを駆使してクリアしていくことになる。高い位置にあるアイテムを別のアイテムで叩き落すといった単純なものから、ダンジョン内から複数のアイテムを「材料」として集め、新しいアイテムを作り出すといった複雑なものまで、アイテムの使い方にはさまざまなものが用意されている。また、特定の位置に岩を移動させるパズル形式の仕掛けや、一定時間敵から逃げまわるアクション的な障害、謎の文章をヒントにダンジョンの仕掛けを解除する暗号形式のものなど、アイテムを使うだけでは突破できない障害も存在する。
「カード」の存在も特徴のひとつ。ダンジョン内には、ぢっかの仲間が何人もカードに変えられて存在しており、カードを見つけることで、仲間の持つ特殊能力を使えるようになる。例えば、序盤で手に入る「サーキュラー」のカードは、特定のアイテムと組み合わせることで、ダンジョンの地図と主人公の現在地を表示させられる。ほかにも、「戦士」や「大工」といった、特定の場所でしか発動できない能力を持つカードもある。
カードになっている仲間たちは、無愛想で物騒な女性や、見た目はかわいらしいがニヒルでつかみどころのない不思議少女など、ちょっとヘンなキャラクタばかり。カードを使用することで、仲間たちと個性的な会話を楽しめるのも楽しみのひとつだ。場合によっては、カードが突然話しかけてくるイベントが発生することもある。
数々の障害を乗り越え、特定の場所にたどり着くとエンディングを迎えることができるが、内容はそれまでに主人公がとった行動や選択肢によって変わってくる。鍵となるのは、最終的に手に入れているアイテムと、プレイ中に発生する会話イベントでの選択肢。一度ゲームをクリアすれば、次からは30分程度でクリアできるので、いろいろと試してみて、すべてのエンディングを楽しんでほしい。