システムやグラフィック、サウンドなど、すべてオリジナルの「手作り」RPG。女性ボーカルによるテーマソングがオープニングで流れ、メインキャラ同士の会話では表情が変化するなど、凝った作品となっている。「Majestic Saga」の舞台となるエストア大陸は、風・火・土・水の精霊が世界のバランスを保っている不思議な世界。しかし、世界を保つ精霊たちにも寿命がある。精霊たちは、自らの死後も世界のバランスが崩れないよう、「精霊石」に力を封じて四つの大陸に納めた。精霊石は各国で平和的に利用されていたが、あるとき、風の石を所持するグランドリーク大陸の王が、戦いに利用する力として目をつけ、他国の石を武力によって強奪してしまう。
事件から10年後、兵士たちに狙われた謎の少女と女騎士が、少年・セルゲンの家に滞在するところから物語ははじまる。セルゲンは、動物の声が理解できる「シャーマン」の能力を持っていた。狙われる理由に精霊石が関わっているという彼女たちと旅に出ることになるセルゲン。彼らとともに、セルゲンを弟のようにかわいがる年長者のヘイル、お調子者の友人・リデューといった個性的なキャラクタたちも一緒に行くことになる。
ゲームの特徴は、アクション要素を含む独自の戦闘システム。ターン制を採用し、味方ターンでは「攻撃」「待機」「道具」というアクションから行動を選択する。アクションの前には、特殊攻撃を行うための準備となる「魔法装備」「技装備」を行える。例えば、通常の攻撃は剣で敵を切りつけるといった単純なものだが、技装備で「必殺技」を装備すると、より大きな打撃を与えたり、敵全体を叩けるような攻撃を発動できたりする可能性が出てくる。発動時には臨場感あふれるグラフィックや必殺技の名称を叫ぶ声、特殊アニメーションなどの派手な演出が楽しめる。
必殺技を使うには「AP」と「SP」がたまっている必要がある。APは1ターンごとに少しずつ回復する技ポイントで、宿屋などで完全回復できる。SPは敵からダメージを受けたときにのみたまるスペシャルポイントで、宿泊しても回復しない。条件を満たした状態で敵を攻撃すると「Special」という文字が一瞬表示される。この間に決定キーを押すことで必殺技が発動するが、表示時間が短いので集中して戦わなくてはならない。
各キャラクタが装備する武器には、ターンあたりの「攻撃回数」というステータスがある。攻撃回数が2以上の武器を装備している場合は、通常攻撃時に「Push」という文字が一瞬表示され、このときにタイミングよく決定キーを押すと連続攻撃できる。複数回の攻撃で敵に斬りつけるか、高い攻撃力の武器で一度だけ攻撃するかなど、プレイヤーの得意な戦略に応じて、装備を揃えればよい。
難易度はやや高め。敵との遭遇率が低く、レベルが上がりにくいので、不用意に中ボスなどと戦うと、レベル不足で負けてしまうことも少なくない。ただし、ダンジョン内の各所にはセーブ可能な「魔方陣」などが用意されている。有効に使うことで、RPGに慣れていないユーザでもクリアは十分に可能だ。