多くのフォルダやファイルを指定サイズで分割して振り分けることで、リムーバブルメディアへのバックアップを補助するソフト。MOやCD-R、DVD-Rなどのメディアにバックアップする前に、利用するメディアの記憶容量に応じて複数のフォルダに分けておくことができる。外部メディアに保存する場合、フォルダやファイルを複数選択して合計サイズを確認し、容量を超えないようにするといった作業が意外と面倒だったりする。CD-Rなどの場合は、ライティングソフトにドラッグ&ドロップしては再度やり直し、ということも少なくない。「Packfld」を利用すれば、メディアの容量を超えないように振り分けてくれるので、とてもありがたい。
分割時の振り分け方法で「ビンパッキング問題の解法」をサポートしている点が大きなポイント。ビンパッキング問題の解法とは、「大きさが異なってもよいn個の荷物を、一定の大きさの箱に入れられるかどうか」を決定する問題を解決するアルゴリズムで、できる限り多くのファイルを一つのフォルダに詰め込むことができる。その結果、利用するメディアの枚数を少なくすることができるというわけだ。「格納順にはこだわらないので、できるだけ効率よくバックアップしたい」という場合に効果を発揮する。
ただし、ネットワークドライブに対応していないのは残念。大容量のデータをネットワークストレージに保存しているというケースも増えてきているので、対応すれば、さらに利用範囲が広がるだろう。バックアップ以外にも、ハードディスクの整理といった用途にも活用できる。
大きなファイルを、例えばフロッピーディスクサイズに分割するといったソフトはいくつもあるが、複数のフォルダやファイルを組み合わせて、適切な容量に振り分けるものはほとんど見かけなかったように思う。DVD-Rなどの大容量リムーバブルメディアが一般的になった今こそ、「Packfld」の便利さを実感できるはずだ。
(川越 裕之)