開発動機
私の本業はテクニカルライターなのですが、近年、パソコンの普及やネットの普及、そしてデジカメやDVの普及で、いわゆる「素材」と呼べるものが蓄積していくことが多くなっていると思います。そうした状況の中で、ビデオにしろ画像にしろホームページにしろ、これからはもっと「素材を使って誰でも簡単にカッコイイものが作れる」ソフトが出てくるべきだと感じていました。「ArtMagic」の制作動機にはそのような背景があるのですが、まず目標として、画像を「一本の作品として見られるようにする」点がありました。市販の画像管理ソフトなどのスライドショウやスクリーンセーバー作成機能で作成されるものが見るに堪えなくて常々不満を持っていたので、もっと見栄えのよいものが作成できるソフトを作ろうと思ったのです。スライドショウ等がダサいのは、リアルタイムで計算している制限だとわかっていましたから、あらかじめ全部を設計してビデオにするしかないという結論に達しました。
考えるのは簡単でも、作るのは面倒そうで躊躇していたのですが、制作に踏み切った最大に動機は「写真をビデオ化し、DVDに焼いてTVの大画面で見る」ことに魅力を感じたからです。
開発に苦労した点
もともとビジュアルなものを作ることには何の苦労も感じないのですが、当初から予想していた通り、MP3やWAVEの扱い、ビデオの作成には苦労しました。あまりに資料が少なく、途中で何度も諦めかけましたが、なんとか完成することができました。
実のところ、最も困ったのは配布時のファイルサイズとビジュアルのバランスで、「ダウンロードしてもらう」という制約によって妥協を強いられています。当初、このソフトはAVI素材を合成することで、現在のものよりも見栄えのよいエフェクトが可能だったのですが、それだと大量のAVI素材が付属し、とても配布できるファイルサイズではなかったので、削ってしまいました。
今後の展開
スタイル数の追加はもちろんですが、前述のように、かなり妥協を強いられている部分が多々ありますので、いろいろとビジュアル表現を強化することもあり得るかもしれません。そのあたりは、今後の反応次第といったところです。
(ふじた しんじ)