「ラーゼルの風」は、永遠の命を持つ青年「スーニン・ランカート(風を詩う者)」を中心に、さまざまなドラマが展開する感動の正統派RPG。「自動戦闘」システムを搭載し、RPGに不慣れな人でも楽しめる。スーニンは、毎日ラーゼルの丘から温かい風を送り、人々を幸せにしてきた風の精だ。しかし、同じ丘に住む笑わない少女「アクア」に恋をしてから、人を守る力を持つ人間にあこがれるのだった。
ある日、スーニンは村の子どもが誘拐される現場に居合わせるが、実体のない彼には子どもを助ける力はなかった。だが、すべてを傍観するだけの自分に怒りを感じたスーニンは、いつのまにか人間になっていたのだ。そして、村の権力者の子どもを助けたことで、村人に温かく迎え入れられることになる。
村は一見平和そうに見えたが、本来いるはずのないモンスターが出現したり、商人が襲われたりといった事件が多発する。また、スーニンが恋する少女アクアは、村の人たちに「魔女」として疎まれているなど、人間になったばかりのスーニンにさまざまな問題が降りかかる。物語は、「村に襲い掛かる陰謀」「少女と村の人の確執」、そして「アクアとスーニンの恋の行方」という三つの出来事を中心に進む。
ゲームの構成は一般的なRPGとほぼ同じ。村で情報を収集し、ダンジョンで敵を倒しながら事件や問題の解決にあたる。モンスターを倒すとお金が手に入るので、体力回復アイテムや防具などを村で購入して、強い敵に備えることも重要だ。ただし、村では攻撃用の武器を一切売っておらず、手に入れるには、各ダンジョン内のどこかにある、精霊の力が集まる「光る場所」を探し出さないといけない。また、ダンジョン各所に隠れている精霊を見つけると、次回から精霊の力を攻撃などに使えるようになる。
ゲームの難易度は低め。戦闘が苦手な場合は自動的に敵と戦う「自動戦闘」システムを利用でき、レベルも容易に上がるので、RPGに慣れていないプレイヤーでも簡単にクリアできる。ストーリーを重視したRPGで、戦闘やレベル上げを楽しむというよりも、一見平和な村に隠された陰謀やスーニンと周りの人間の心の変化などを読み解くことにポイントが置かれている。