フォルダのアイコンが「ごみ箱」に置き換えられてしまい、開いても(ホンモノの)ごみ箱の中身が見えるだけという、ユニークなセキュリティソフト。利用者本人が偽装フォルダの中を見たい場合もそのつど偽装を解除しなければならないが、偽装も解除もドラッグ&ドロップで行えるので実際にはそのつどパスワードを入力するだけであり、実用上の手間は大したことはない。機能の上では複数のフォルダを偽装することができるが、実際にやるとなるとハードディスクを開いたらごみ箱アイコンだらけでいかにも不自然、ということになりかねない。したがって隠したいファイルがあるフォルダを偽装するというよりも、本当に隠したいファイルだけを偽装用フォルダに入れておくのがよいのではないかと思う。
付属ドキュメントによると、実行ファイルはWindowsフォルダにインストールすることを推奨するものの、実際にはフロッピーディスクなどからでも実行できるとのことなので、社内のセキュリティ責任者だけが実行ファイルとパスワードを管理するといった使い方もできそうだ(実際にそういう管理をするかどうかはともかくとして)。
以下は余談だが、実は筆者のパソコン環境と折り合いが悪かったのか、Windows XP上で試用中にフリーズしてしまい、タスクマネージャから強制終了させることになった。その結果、偽装フォルダの情報も失われてしまったのだが、添付ドキュメントの記述をヒントに操作したところ、無事偽装を解除できた。
とんだハプニングだったが、トラブルにもかかわらず復旧できたのは心強い。もちろん、試用中はテスト用のフォルダとバックアップ済みのファイルを使うことをお勧めする。また、Windowsのバージョンによっては対象フォルダ名に関する若干の制限があるとのことなので、ドキュメントにはあらかじめしっかり目を通しておこう。
なお、Windows 98 SE上では上記のようなトラブルはなかったことを付け加えておく。
(福住 護)