マウスポインタの移動で音程・音量を変化させて演奏する、テルミンのような楽器ソフト。「テル民(てるたみ)」は、ソフト名から想像できる通り、ちょっと変わった、そして世界で最初の電子楽器といわれる「テルミン」をモチーフに作られた楽器ソフト。「演奏盤」と呼ばれるグリッド付きのウィンドウの上を、マウスポインタを移動させることで演奏する。マウスの左右移動で音程を上げ下げし、上下移動で音量を増減させる。
起動すると、まずは設定ウィンドウが表示される。特に設定を変更しなくてよいなら、「演奏」ボタンをクリックすれば、「演奏盤」ウィンドウが表示される。マウスポインタをウィンドウ内にもってゆき、あとは心の赴くままにマウスを滑らせればよい。設定では、演奏できる音域(最大7オクターブまで可能)やモジュレータの周波数などを指定できる。基本周波数とモジュレータの周波数をずらすことで、音に揺らぎを与える「ディチューン」、音を歪ませて“豊かな倍音”を作る「歪み」といった設定項目もある。
本物のテルミンに比べると、再生される音がちょっとチープな感じは否めないが、そのチープさがまた、かえってアジがあったりして、“テルミン感覚”を味わうことができる。
筆者はもちろん、本物のテルミンを演奏したことはないのだが、演奏の難しさという点ではおそらく「テル民」も、テルミンに引けを取らないのではないかと思う。ある程度メロディを奏でられるようになるには、かなりの練習が必要そうだ。
なお、テルミンについては、テルミン映画のサイトである「『テルミン』〜THEREMIN,AN ELECTRONIC ODYSSEY〜」や「電子楽器テルミン」といったページでくわしく紹介されているので、興味のある人は一読されてみるとよいだろう。特に前者では、Flash Playerを使用して、Web上でテルミンの演奏を疑似体験できる「バーチャル・テルミン」が用意されている。
(練馬 ベク蔵)