「"SendTo" Toys」にある機能は、そのほとんどがコマンドプロンプトやファイルのプロパティシートなどを使えば実現できる機能だ。Windowsの標準機能で実行できない機能といえばせいぜい「更新日時の変更」くらいであろう。しかし、だからといってこの「"SendTo" Toys」のようなソフトが不要かといえば、決してそんなことはない。なぜなら、同じ機能を実現するための手数が段違いであるからだ。例えば「フォルダへコピー」の場合、同じことをしようと思えば、まずコピー先のフォルダウィンドウを開いてから、そのフォルダへアイコンをドロップするという作業が必要だ。つまりウィンドウを開くという作業が一つ余計に入るのである。
この程度ならかまわないと思う人は、「フォルダ構造をコピー」をどうすれば実現できるのか考えてみよう。エクスプローラでのコピーは、フォルダ構造と合わせて必ずフォルダ中のファイルもコピーされてしまう。もちろんコピーしたあとでフォルダ以外のファイルを消せば同じ結果にはなるが、時間がかかるし非常に面倒だ。コマンドプロンプトを使える人ならば「xcopy」コマンドで同じことは実現できるが、これもオプションを覚えておかなければならない。一見標準の機能でできるように思える「属性を変更」も、不可視ビットやシステムビットは、標準では変更することができないので「ATTRIBコマンド」を使わねばならない。
そう考えると、これらの機能がすべて「送る」メニューによって実現できるという「"SendTo" Toys」の機能は非常にありがたい。GUIなど使わなくても、コマンドプロンプトを使えばたいていのことは実現できる、と思っている人も、一度こうしたツールを使ってみるといかがだろう。きっと、意外に便利なことに気がつくはずだ。
(天野 司)