マルチアカウント対応の電子メールクライアントソフト。メール新規作成用の別ウィンドウなどを廃したシンプルなデザインながら、豊富な機能を備えている。「iMail」は、2ペイン型のシンプルな画面構成の電子メールソフト。左側はフォルダツリーとメール一覧のペインで、右側のペインは、左側でフォルダを選択しているときはメール一覧を、またメール選択時にはメールの内容を表示するというユニークなインタフェースが特徴。このため、左側ペインのメール一覧は、指定期間内だけのものを表示できるようになっている。右側のペインはメール編集ウィンドウも兼ねている。
メールの作成を行う編集ウィンドウは、メールの「送信」「下書き」を選択するラジオボタンのほかはテキストボックスだけで構成され、送信先や添付ファイルの指定などは右クリックのコンテキストメニューから行う。例えば、「宛先」ボックスで右クリックして「送り先の選択」ダイアログを表示し、アドレス帳に登録済みのアドレスを追加できるといった具合だ。「本文」ボックスで右クリックした場合は、引用コピーや定型文入力などを選択できる。
ファイル/フォルダを添付する場合は、その場でLZH/CABなどの形式で圧縮できる(別途、対応DLLが必要)ほか、「iMail」ユーザ同士で暗号化ファイルの送受信も行える。指定サイズで分割することもできる。
設定されたアカウントには「受信済」「送信済」「待機中」の三つのフォルダが作成されるが、もちろんユーザが任意にフォルダを作成して、階層管理することが可能。フォルダのプロパティとしてメールの振り分け条件を設定すれば、From:やSubject:などでフィルタ処理を行える。プロパティ設定により、フォルダ内のメールを指定日数経過後に削除することもできる。
アドレス帳はグループ分けが可能で、1アドレスを複数のグループに登録することもできる(アドレスは必ずどこかのグループに属さなければならないので、あらかじめ「Default」というグループが登録されている)。アドレス登録やグループの作成なども、やはりコンテキストメニューから行う。
オプション設定は、「iMail」全体に関わるものと、アカウント別に指定するものがある。前者では、起動と同時に、受信や送受信などを行うよう設定できるほか、引用記号や改行桁数の設定などが行える。後者では、受信時のオプションとして「無視メール」(PostPetなどと併用するときに使う)、「忌避メール」(指定のメールを自動的に削除する)、「自動メール」(さまざまな自動処理を行う)という設定項目があり、メールのヘッダが指定条件に一致した場合に、それぞれに応じた処理を行ってくれる。さらに、「スパム認定」という機能がある。これは、メールの送信元に対して「スパムに認定した」という趣旨の返信メールを作成して、これを実際に送信できると同時に、相手を忌避メールアドレスに登録するというものだ。
そのほか、サーバ上のメールを指定時間経過後に自動削除する機能もある。メールはテキストファイル(拡張子は*.eml)で保存される。