Webページやテキストなどにある情報の保存・分類・検索を行える情報整理ソフト。ドラッグ&ドロップの簡単な操作で情報をクリッピングでき、ツリーによる階層構造で管理できる。「ThinkBook」は、HTML文書やテキスト、画像などを扱える情報整理データベース。情報(データ)の登録は、コンパクトな「ランチャー」に対する操作で行う。Webページで選択したテキスト/画像のランチャーへのドラッグ&ドロップ、「メモ」ボタンでダイアログボックスを呼び出しての文字入力、クリップボードにコピーされたデータの「収集」ボタンでの記録など、登録はいずれも簡単な操作で行える。データの保存は、ランチャー上の「保存」ボタンで行うことができるのはもちろん、ランチャー終了時に自動保存される。
登録したデータの参照は、ランチャーから起動できる「スクラップブック」ウィンドウで行う。ツリーとデータ一覧から構成されるスクラップブックのツリー上に、「ブック」あるいは「ノート」と呼ばれるグループを作成し、そこにデータをドラッグすることで分類・整理を行う。ツリーからブック/ノートを選択すると、登録済みデータが一覧表示される仕組みだ。
スクラップブックには3種類の表示モードがあり、データのタイトルのみを一覧表示する「リスト表示モード」、内容の一部やキーワードなども表示する「全文表示モード」、スクラップブック自体がWebブラウザとなる「Web」モードを切り替えて使う。全文表示/リスト表示モードでは、データが登録順に表示され、昇順または降順で並べ替えできるほか、ドラッグで任意に並べ替えることもできる。整理が終わった時点で「順序の確定」を実行するとツリー上のアイコンの色が変わり、新しいデータの追加によって未確定状態に戻るため、データの整理状態がひとめでわかる。さらに、スクラップブックウィンドウのうち、ツリー部分や一覧部分を個別に表示したり、バーの表示方法をカスタマイズしたりといったことも可能だ。
データには、タイトル・内容以外に重要度(5段階)や「パターン」、キーワードなどを設定し、これらを対象に検索を行える。「パターン」は、情報ソースやデータの種類を分類したもので、Webから登録したデータであれば「HTMLファイル」、思いつきをメモしたものなら「ひらめき」、雑誌や書籍からの引用であればそれぞれ「雑誌」「書籍」といった分類を指定できる。「パターン」にはそのほかにも、URL/メール/テキストファイル/JPEGファイルなどがある。
検索は、キーワード検索と全文検索が可能。キーワードは、登録済みのものであれば、一覧から選択できるため、統一化がしやすく検索も容易になる。また、特殊な検索方法として、ツリーに関係なくすべてのブック/ノート上のデータを対象に全文検索を行う「抽出」が用意されている。「抽出」の結果は、専用のノート上にリストとして表示されているため、いつでも必要なときに参照でき、他のブック/ノートにドラッグすればデータをコピーできる。
登録・分類したデータは「ThinkBook」で検索や参照を行えるほか、「文書作成」機能で複数のデータをまとめた文書ファイルを作成することもできる。文書は用意されたテンプレートにもとづき「テキスト」「フレームなしHTML」「リンク集型HTML」「論文型HTML」などの形式で出力できる。特に「論文型HTML」では、ツリー構成やパターンをもとにした目次の作成や、出展書籍名やリンクなどを引用注としてまとめるといったことも可能だ。
そのほか、ランチャーからは、Google/goo/LYCOS/excite/infoseekといった検索サービスを使って検索を行い、結果をWebブラウザに表示することができる。スクラップブックウィンドウでは、文書作成時のデフォルトとなるテンプレートを指定したり、文書の見出し番号の書式を指定したりできる。印刷はスクラップブックウィンドウからデータ単位で行えるほか、作成した文書からも行える。データは、テキストやHTML、CSV形式でのエクスポート、CSV形式でのインポートが行える。