「フォルダーシンクロナイザー」は、1つのフォルダをベースとして、そのフォルダと同じになるように、複数のフォルダに対して更新チェック/コピー作業が行えるバックアップソフト。作業は、（1）基本（コピー元）となるフォルダと同期先フォルダを選択して、対象とする拡張子などを指定、（2）「同期処理確認」から、フォルダ内の対象ファイルのリストアップと比較結果を表示、（3）リストから処理内容変更が必要かを確認して、同期開始、という順序で行う。

ファイルの更新/コピー時には、拡張子ごとの指定によるフィルタリンクや、更新されたファイルのみのコピー、コピー先にないフォルダの作成、フォルダの完全一致など、きめ細かな設定がを行える。読み取り専用属性のついたファイルでも、自動的にこれを解除してコピーすることが可能だ。また、複数の同期セットを作成し、これを一括実行する機能も備えている。

「同期処理確認」では、指定されたフォルダ内のファイルを比較して、処理内容（上書きコピー/何もしない、など）をリストビューに表示する。リストアップされた個々のファイルは、リストからの削除や処理内容の変更を行ったり、関連付けられた比較ツールで詳しく比較したりすることができる。リストビューでは、コピーの必要性の有無などのステータスが色分け表示され、コピー前の確認作業がより容易に、しかも連続的に行えるのが特徴だ。ファイルの比較方法は、タイムスタンプでの比較など、いくつかの条件を設定できる。

ローカルのフォルダだけでなく、LAN/インターネット上のフォルダを同期対象とすることが可能。ユーザ名/パスワードを事前に設定してオートログオンし、ファイルコピーを実行して切断という自動操作を行わせることもできる。FTPソフトとしての利用も可能で、モデム接続・切断機能を用いて、ダイヤルアップ接続によるWebサイトの更新作業も自動的に行える。

ユーザインタフェースがやや独特のため、慣れるまで多少の混乱はあるかもしれないが、初期の同期設定さえできてしまえば、あとはそう苦労はしない。ファイルチェック→更新コピーがワンアクションで動くようになれば、複数の同期設定をまとめて実行するのも簡単にできる。複数の設定ファイルをまとめて実行できる機能を使いこなせば、日常的なパソコン/LAN/インターネットの更新・バックアップ作業はワンクリックですべて済ませるという設定も可能だ。このあたりの手法については、「フォルダーシンクロナイザー」から呼び出せるオンラインヘルプにくわしく記述されているので、参考にするといいだろう。

開発中に苦労した点
このソフトは一気に同期させることのほかに、比較結果の編集にもとづいて同期させることができたり、LZH/CABを対象としたりできます。わりとオブジェクト化できたとは思っていますが、さまざまなモードに対応する判断が多数入っています。バージョンアップしたときその影響で使えなくなってしまわないかどうかを考えたり、テストが大変です。

ユーザにお勧めする使い方これは自分でもこのモードがあるのを忘れてしまうのですが、「更新先にないファイルは新規コピーしない」モード。「複製コピー」チェックを外すと、対象に存在しないファイルの「処理内容」が「何もしません」になる使い方。ファイルサーバで仕事をしていると使える場面があると思う。

FTPでアップロードするとき、基準ファイルのタイムスタンプでソートして、最も新しいファイルのみがコピーされるのを目で確認しながらできる方法。

古いファイルを日付でまとめてLZHに待避しながらバックアップする使い方。

今後のバージョンアップ予定
12月はじめには少々機能追加をしてバージョンアップしたいと考えています。