「あいぷっち」は、iモードのカラー絵文字や顔文字を自在に使うことのできる、パソコンからiモード端末へのメール送信専用ソフト。あらかじめ500種類以上のカラー顔文字が登録されたライブラリを備えており、絵文字を取り入れたユニークな顔文字を貼り付けて、手軽に楽しいメールを作れる。

画面は、使いやすさを重視したシンプルな構成。メイン画面は大きく二分割され、右側では「メール作成」と「送信履歴」を、また左側では携帯端末上での「画面プレビュー」と「アドレス帳」をそれぞれ切り替えながら、メールを作成・送信する。

専用ソフトだけあり、いくつもの便利な機能を備えるが、絵文字・顔文字を使ってメールを書く上で便利なのが「画面プレビュー」だ。「画面プレビュー」では、iモード絵文字がカラー表示されるほか、折り返し文字数を8文字/9文字/10文字で切り替えられる。相手にメールが届いたときのイメージを正確に把握でき、顔文字が途中で改行されないか、なども事前に確認することが可能だ。この折り返し文字数は、アドレス帳のデータとして保存できるため、アドレス帳から宛先を指定するだけで、自動的に送信先に適した設定になる。

別ウィンドウで開かれる絵文字・顔文字のライブラリ「あいライブラリ」は、天気/イベント（絵文字）、表情（顔文字）などでグループ化され、使い勝手がよい。iモード絵文字、顔文字のほかにも、オリジナルの顔文字や署名、時候の挨拶などの定型文を自由に定義できる「ユーザーライブラリ」があり、最大10,000個のアイテムを登録できる。いずれも好みのものを選択してダブルクリックすれば、「メール作成」画面に入力され、「画面プレビュー」で確認できる仕組みだ。

iモードのメールには文字数制限があり、これを超えると強制的に切り捨てられてしまうが、「あいぷっち」では、全角250文字以上の文字数のメールを自動的に分割して送信する機能がある。長いメールを送らなくてはならないときも、わざわざユーザが分割してメールを作る必要がない。なお、この際も分割したページごとにプレビューで確認できる。

ユーザに対する配慮がいたるところになされている。例えば、ライブラリでアイテムを選択すると貼り付け先のメール作成画面がアクティブになったり、あるいは「メール作成」を表示させる操作に連動して「画面プレビュー」も表に出たりと、ユーザの作業を常に先回りする画面切り替えをしてくれるので、ストレスなく扱うことができる。操作も直感的に行うことができて、マニュアルいらずのソフトでもある。絵文字を扱いながら外字フォントを使わず、レジストリを一切いじらない（作者曰く「環境に優しい」）のもうれしい点だ。

マニュアルがいらないくらいにわかりやすくはあるのだが、本当にヘルプファイルがないのは残念。ヘルプを書くのが大変なのは承知しているつもりだが、手取り足取りの詳しいものでなくてもいい、必要最低限のものでいいから何とか作っていただくように、オンライン作者の方々にはお願いしたい。この「あいぷっち」のように、ソフトの出来がいいときほど、余計にその思いは強くなる。

（1）は、iモード絵文字をいかに手軽に利用できるかを重点におき、絵文字の貼り付け操作をできるだけ簡単にできるようにしました。（2）は、たくさんの顔文字を用意することで、ほかの人とは一味違うメールの文章を作る楽しみを味わってもらおうと思いました。初心者の多くは、顔文字の作り方がわからず、単調な顔文字しか使っていないのが現状だと知ったからです。（3）は、メール送信後、自動的にアドレス帳ダイアログが表示されたり、本文編集時にはプレビュー画面へ自動切り替えしたりと、次に行いたい操作を予測して自動化するようにしました。

あいぷっちの名称の由来
女子高生に使ってほしいソフトなので、名前もできるだけかわいく親しみやすい名前を考えました。「あいぷっち」と聞いて大半の方が想像できると思いますが、「あい」は、NTTドコモのiモード。「ぷっち」は小さい・コンパクトという意味を込めました。ぶっちゃけると、モーニング娘のブッチモニから取りました。作者が「ブッチモニ」の歌がお気に入りだったのと、国民的にも人気のあるグループからの名前だったら、大変光栄だな！　と思ったからです。ブッチモニの方は迷惑ですけど(^^;。

今後のバージョンアップについて
次期バージョンを11月10日に公開します。このバージョンでは、編集中のメールを一時保存できるようにしています。また、FOMAの5,000文字分割送信にも対応しています。

チャッピーのパパが目指すもの
ユーザが求めるものは、フリーで高機能な優良ソフトです。作者もいくつかのソフトをフリーで提供していまが、シェアウェアにしないと採算が合わないソフトも出てきます。最近、携帯電話に関連するソフトに興味を持っているのですが、携帯電話のメール送受信には、パケット料がかかります。テストを何度も重ねるとその月の請求額は、結構な金額になってしまいます。そうなると自己満足だけで、続けていくことは困難になります。当然、シェアウェアとなるとサービス面も要求されます。

作者は、（1）定期的なバージョンアップ、（2）できる限りのユーザ要望の反映、（3）使い勝手のよい画面インタフェースの提供、の3点に重点をおいて取り組んでいます。これらを実現するには、いろいろなユーザの意見を聞き入れ、検討していく必要があります。作者とユーザの意見交換の場！──それがBBSと考えています。ソフトを開発するのは作者ですが、優良なソフトに育てていくのはユーザの方です。ユーザと一緒になって仕上げていくソフト！──これが作者の目指すものです。そうすればユーザの方もソフトに対する愛着が湧くはずです(^^;。シェアウェアソフトの理由も含めて、ご理解していただければ幸いです。