「FE - Card Desginer」は、キャンバス（台紙）に文字列、直線、画像の各オブジェクトを配置することで、名刺をはじめとしたカードのデザイン・印刷を行えるソフト。メイン画面左側に操作のためのボタン類、右側にプレビュー画面を配したシンプルな画面構成はわかりやすく、使いやすい。名刺作成に必要十分な機能だけを搭載。余分な機能は省かれているため、軽快に動作するのが特徴だ。

名刺の作成は、新規オブジェクトの作成→属性の変更/位置の調整という手順で行う。例えば、新たに文字列を追加するのであれば、「NEW TEXT」ボタンで新規テキストオブジェクトを作成後、内容を書き換えたり、フォントや色を変更したりしてから位置を調整する。文字列および直線のオブジェクトは、ボタンクリックだけで、サイズや色など規定の属性を持つオブジェクトがキャンバスに追加される。画像オブジェクトの場合は、ダイアログから貼り込みたい画像ファイルを選択すればよい。オブジェクトの移動はドラッグか、画面左側に表示される座標を調節することで行える。位置は0.25mm単位で移動することが可能だ。

1枚の名刺に配置できるオブジェクトの数は文字列、直線がそれぞれ30個まで、画像は10個まで。画像はBMP形式のものを使用でき、実サイズで貼り込まれる。オブジェクトは、下から画像、直線、テキストの順に配置され、それぞれの分類の中では、先に貼り込まれたオブジェクトが下に配置されるようになっている。

印刷時にはカードの周りにコーナートンボ（内・外・枠から選択）を付ける機能があり、印刷後の裁断が容易に行える。また、印刷時の余白などを1mm単位で指定できるため、市販のカット済みシートやミシン目入り名刺用紙を使う際にも位置合わせを行いやすい。

気になったのはオブジェクトのコピー機能がないことと、オブジェクト編集のインタフェースがいまひとつ直感的でない点。ただ、【Ctrl】＋【C】/【V】は有効なので、やろうと思えばテキストのコピー/ペーストは可能である。編集についても、慣れてしまえばさほど問題にはならないだろう。