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ソフト詳細説明

「お兄様」
僕は後ろから細い女の声に呼び止められた。
それは生まれたときからよく知っている腹違いの妹のもの。
僕たちは今、夕刻を迎え時に染まった庭を散歩している。
妹の佐喜子はちょうど庭の真ん中にある大きな木の前で立ち止まり、後ろを付いて歩いていた僕もそれに倣った。
立ち止まったまま大きな木の頭上を見上げていた佐喜子は、振り返ると僕を見て言った。
「お兄様。もう、秋が来ましたのに。ほら、あちらの蕾は桜の花を咲かせそうですわ」
そう佐喜子が笑顔で指差す先には、この家の家紋と同じ桜が一枝だけ蕾を付けていた。
他はまだ蕾と言っていいのかわからないぐらいだが、数十日すれば満開となるだろう。
だが、時期はずれにしても程がある。
僕は驚きで絶句した。

――― 何故、今になって?

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